Lecture

藤谷が2024年度に久留米大学で開講している主な講義を紹介します。

「地域政策論」

目的・概要
地域の課題を解決し、継続的な発展を実現させていくためには、地域住民のニーズを適切に把握し、国、地方自治体、企業、非営利団体等の連携・協力のもとで地域政策を進めて行く必要があります。本講義では、日本の国土計画、市町村合併、規制緩和といった国の政策が地域に何をもたらしてきたのか、地域ではどのような担い手がどのような政策を進めているのか、具体的事例を交えながら講述します。受講者が身近な地域の地域政策のあり方について考えられるようになることを目指します。

到達目標
(1)国と地方自治体の地域政策がいかなる目的のために進められているのかを理解する。
(2)地域政策は行政だけが担うのではなく、企業、非営利団体、地域住民の関わりのもとで進められていることを理解する。
(3)身近な地域を念頭に、地域政策のあり方について考察する能力を培う。


「環境政策論」

目的・概要
地球上、あるいは私たちの身の回りで起きている環境問題の経緯と現状を知り、その問題をどのように解決していったらよいのかを考察します。具体的には、公害問題、地球温暖化問題、エネルギー問題、廃棄物問題、自然・アメニティ問題について、事例をとおして、政策のあり方を検討していく予定です。
環境問題について考えるためには、現実に何が起きているのかを知ることが極めて重要です。そこで、写真やビデオなどを利用しながら、できるだけ問題を身近に感じられるようにしたいと考えています。

到達目標
(1)環境問題は誰にとってどのような問題なのかを考えられるようになる。
(2)環境問題を解決するために誰が何をすべきかを考えられるようになる。


「エネルギーと環境」

目的・概要
私たちの人間の生産活動・生活において欠かすことのできないエネルギーと、環境は、けっして切り離すことのできない関係にあります。そして、その環境との関係のなかで、エネルギーのあり方、さらには、経済・社会のあり方も変わってきています。
そこで、本講義では、人間とエネルギー、そして、環境との関係について、その変遷をみながら、今後のあり方を考えていきます。地球規模でのエネルギー問題についてみていくことはもちろん、地域レベルでのエネルギーをとりまく課題や展望についても考察していきます。

到達目標
(1)人間にとって必要なエネルギーが環境との関係でどのように作り出され、使われてきたのかを理解する。
(2)日本や海外のエネルギー事情を把握し、これからのあり方を考えられるようになる。
(3)地域レベルでエネルギーについて考えることの意義を理解する。


「協同組合概論」

目的・概要
この講義の目的は、第一に、協同組合の基本を理解するとともに、地域の多様な協同組合の実践から幅広く協同組合について学ぶことにあります。そのうえで、第二に、ワーカーズコープに焦点をあてることで、職業選択の際に、協同労働という「働き方の選択」、「働くことの意味」について皆さんと共に考えたいと思います。
この講義は、それぞれの協同組合の現場の方々にご登壇いただき、実務経験に基づいて、講義を行っていただく点に特徴があります。前半は、協同組合の基本を学ぶとともに、農協、生協、漁協、森林組合、信用金庫といった各種協同組合の地域での実践に焦点をあて、協同組合がまちづくりや働く場づくりにどのように取り組んでいるかについて学びます。後半は、ワーカーズコープ(労働者協同組合)の理論と実践に焦点をあて、学びます。

到達目標
(1)協同組合の基本とともに、地域の多様な協同組合のありようを理解すること。
(2)協同労働という「働き方の選択」、「働くことの意味」について理解を深めること。


「環境科学I(a)」/「環境科学I(b)」

目的・概要
私たち人間は、自然との付き合いのなかで生活し、生産活動を行い、地域社会や文化を形成してきました。
自然も、社会も、文化も、私たちをとりまく「環境」であるといえます。
私たちには、この「環境」を持続可能な状態に保ち、次の世代に引き継いでいく責任があります。
この講義では、その責任を果たしていくために必要な、人間活動と自然との関わりについての基礎的な知識を学びます。
身近な話題、直近の話題、映像や写真を取り入れて、わかりやすく講述します。
また、話を聞くだけでなく、毎回、受講生自身の考えを書く時間を設け、思考力を養うことを目指します。

到達目標
(1)私たちの生活や生産活動、そして、地域社会や文化が、自然と付き合いのなかでいかにして形成されてきたのかを理解すること。
(2)「環境」を持続可能な状態に保ち、次の世代に引き継いでいくために、今の世代の私たちが何をすべきか、考えられるようになること。

※同一内容を(a)(b)の2クラスに分けて開講しています。


「地域創造概論」

目的・概要
経済のグローバル化、ポスト工業化、人口減少と高齢化が進行する今日の経済社会において、持続可能な地域社会とこれを支える地域経済をどのように構築していくのか。本講義では、市民の創造性と住民自治を原動力に、地域固有の資源を保全・活用しつつ、自律的な地域経済の構築と内発的な発展を目指す都市や農村の取り組みに着目する。 
とくに近年では、「地域ブランド」、「リノベーション」、「アートプロジェクト」、「低炭素まちづくり」、「トラスト運動」などの取り組みが各地で広がりを見せている。本講義では、このような地域資源の保全と活用を通じた地域づくりの特徴(担い手、手法、政策、制度など)、歴史、その意義と課題等について、地域を取り巻く経済社会の変化とともに理解することを目的とする。
第1回〜第3回は導入部であり、こうした地域づくりが重要となる経済社会的背景、戦後の地域づくりの歴史、地域づくりに必要な概念・理論等について検討する。第4回〜第7回は、地域資源の中でもとくに「文化資源」に注目し、これをどう「活用」するかという観点から個別地域の事例を検討する。第9回と第10回は、本学経済学部の学生が、住民らと連携して行ってきた地域資源を活かした地域づくりの実践について紹介する。第11回〜第15回は、地域資源の中でもとくに「自然資源」に注目し、これをどう「保全(維持・管理)」するかという観点から個別地域の事例を検討する。なお、第8回に講義の前半部分のまとめとして中間テストを、定期試験期間に講義の後半部分のまとめとして期末テストを実施する。 

到達目標
(1)今日の地域を取り巻く大きな経済社会構造の変化の中で、都市や農村が置かれている状況や諸問題について理解する。
(2)地域が自律的・持続的に発展するための社会経済基盤やその担い手、自然資源や文化資源の保全と活用、都市と農村の連携など、現代の地域づくり・地域政策に関する基礎的な知識の習得を目指す。

※岩本洋一先生と藤谷の共同講義です。


「地域事情研修(国内研修)」

目的・概要
国内における「地域づくり」の現地に足を運び、地域の人々との交流や体験をとおして、地域の現状についての理解を深めるとともに、地域課題やその解決への取り組みについて、プレゼンテーションやレポートの形で報告できる力を養うことを目的とします。
複数の研修コースを設定し、各コース毎に、事前学修・現地研修・事後学修を実施します。 

到達目標
(1)事前学修をとおして、地域についての基礎的な情報を収集・整理し、現地研修で何を学ぶのかについての計画を立てる。
(2)現地研修をとおして、現地の人々と積極的に交流するとともに、地域の歴史や現状、課題などについて、見聞きしたことをしっかりと記録する。
(3)事後学修をとおして、現地で学んだことを文章化し、分析を加えて、プレゼンテーションおよびレポートとして発表する。 

※藤谷は「山口コース」を開講しています。
2024年度は、下関市長府地区、下関市豊田町楢原地区、長門市油谷宇津賀地区、萩市(中心部)をフィールドとして実施しました。